伊島

幼児のころから、あこめの浜に行くと、いつも正面のはるか彼方に見える細長い島があった。「あれは伊島じゃ」と隣の鍛冶屋さんのおばあさんが教えてくれた。

ふしぎに思ったのは、日によって伊島が霞んでまったく見えない時があったり、すぐ近くに見えたりすることであった。

伊島連絡船「みしま」

昭和30年代、私は何度か「みしま」に乗って伊島に行ったことがある。船はいつも伊島と蒲生田岬の海峡を通過するときにかなり揺れたのを覚えている。

「みしま」は現在、高速船に変わっており、津乃峰町の答島港と伊島間を30分で結んでいるが、当時は1時間以上かかっていたと思う。

蒲生田(かもだ)岬

伊島を語るなら、対岸の阿南市椿町蒲生田のことにもひとこと触れておきたい。少年のころ友達の親戚宅が蒲生田にあって、その友達と一緒に「みしま」で行って宿泊した記憶がある。

備考:平成16年9月1日から、交通環境の変化に対応して、伊島連絡船「みしま」は椿泊に寄港しなくなり、伊島ー答島直行便となった。