はじめに

2014年8月はじめ、東京、小金井市にでかけてみると、昼間は室内で35度くらい、朝7時頃でも32度はあったりしていた。そこで、熱中症にならないように、子供たちの自然観察や昆虫採集は少しでも風の涼しい早朝または夕刻に行わざるを得ないというありさまだった。しかしながら、小金井市は市内のあちらこちらに背の高い樹木が茂っており、その木陰に入ってみると、どこからとなく涼しい風が吹いてきて、昼間でも意外と涼しく感じた。

そういえば、昔、終戦後まもないふるさと徳島県の大潟村で、真夏に風通しの良い軒下などの日陰で近隣の老人たちがむしろを敷いて座ったり寝転んだりして世間話をしながらくつろいでいた様子を思い出した。小学校入学前の私もその中に入って母の横に寝転び、軒下から空を見上げると最初はどんどん流れていた雲が止まり、自分がどんどん流れていくような不思議な体験を楽しんでいたのを思い出した。