ローレライ

1 なじかは知らねど心わびて
  昔の伝説(つたえ)はそぞろ身にしむ
  寥しく(さびしく)暮れゆくラインの流れ
  入日(いりひ)に山々あかく栄ゆる(はゆる)

2 美し(うるわし)少女(おとめ)の巌頭(いわお)に立ちて
  黄金(こがね)の櫛(くし)とり髪のみだれを
  梳きつつ(ときつつ)口吟ぶ(くちずさぶ)歌の声の
  神怪しき(くすしき)魔力(ちから)に魂(たま)もまよう

3 こぎゆく舟びと(ふなびと)歌に憧れ(あこがれ)
  岩根(いわね)も見為らず(みやらず)仰げばやがて
  浪間(なみま)に沈むるひとも舟も
  神怪しき(くすしき)魔歌(まがうた)謡う(うたう)ローレライ