我は海の子

1 我は海の子白浪(しらなみ)の
  さわぐいそべの松原(まつばら)に
  煙(けむり)たなびくとまやこそ
  我がなつかしき住家(すみか)なれ

2  生まれてしほに浴(ゆあみ)して
  浪(なみ)を子守の歌と聞き
  千里(せんり)寄せくる海の気(き)を
  吸ひてわらべとなりにけり

3  高く鼻つくいその香に
  不断(ふだん)の花の香りあり
  なぎさの松に吹く風を
  いみじき樂(がく)と我は聞(き)く

 

  地上に生きる者の

  最上のしあわせは、

  ただ自分らしく生きること。

                 ゲーテ