いなかの四季村の鍛冶屋ひばり里ごころ秋のあわれ戻る
道をはさんで畠(はた)一面に 麦はほが出る菜は花盛り 眠る蝶々とび立つひばり 吹くや春風たもとも軽く あちらこちらに桑つむおとめ 日まし日ましにはるごも太る
ならぶすげがさ涼しいこえで 歌いながらにうえ行くさなえ ながい夏の日いつしか暮れて うえる手先に月かげ動く かえる道々あと見かえれば 葉末(はずえ)葉末に夜つゆが光る
二百十日(にひゃくとおか)も事なく(ことなく)すんで 村の祭(まつり)のたいこがひびく 稲は実(み)がいる日よりはつづく 刈ってひろげて日にかわかして 米にこなして俵(たわら)につめて 家内(かない)そろって笑顔に笑顔
松を火にたくいろりのそばで 夜はよもやま話がはずむ 母がてぎわの大こんなます これがいなかの年こしざかな たなのもちひくねずみの音も ふけてのきばに雪降積る(ふりつもる)
◇ 編集 自然観察くらぶ ◇