香 港

 香港の印象は「たくましさ」であった。日本の都市も狭いところで大勢の人が 働いているが、香港はもっと狭いところでひしめきあいながら働いているという様子であった。道路では車が渋滞し、歩道では人波があふれているが、人々の表情は明るく何か目的を持って足早に歩いているように見えた。そして、裏通りに入るとベランダなどない3階建てくらいの狭いアパートが立ち並び、どの窓からも物干しざおを直角に突き出して洗濯物をひらひらと干しているありさまは日本では見たことのない世界であった。 郊外に行くとビルの建設ラッシュで、足場は全て日本なら鉄パイプだが香港ではすべてもうそう竹で組んでいたのに驚かされた。 狭い港街にはなんと空港まであって、建物の屋根の上を飛行機があたりまえのようにスレスレに飛んで離着陸しているのにはもっと驚かされた。

 港の海上から見た「東洋の真珠」

 研修船は真夜中に香港に入港したが、進行方向左側の岸部には高層ビルが立ち並び、不思議なことに窓には橙色の電燈が灯されていた。離れて見ると確かに宝石の真珠を散りばめたように見えた。講師の方が「あれが東洋の真珠と呼ばれる由縁だよ、香港ではひかりまたたくネオンを規制して飛行機の着陸が安全にできるようにしているんだ」と説明してくれたのを今でもはっきりと覚えている。

 盛大な出迎えを受けて驚いた

 日本と香港は昔から経済交流が盛んであったためか、港では「歓迎、第16回日経連第一線監督者洋上研修団」の大幔幕と、華やかな13人の花束の美女達による盛大な歓迎を受けた。