フィリピン

 香港からフィリピンまでの航路は波が穏やかで晴天が続いた。香港から遠ざかるにつれて海の色が明るいコバルト色に変わってきた。海面をよくみていると時折銀色の小さなトビウオが数十メートルも飛んでいるのが見えた。フィリピンではマニラ港に接岸したが、31年前の当時は岸壁付近の治安がよくないので単独で下船しないようにあらかじめスタッフより厳重な注意があった。そんなこともあり、フィリピンでは残念ながら短時間の寄港でもあり詳しい異国の雰囲気は伺えなかった。それでも、アルバムを見るとオプショナルツアーに参加したのであろうか断片的な観光シーンが残ってはいるがその場所や印象は今となっては思い出せない。 

   

 そのような 治安の良くない場所にいったりすると、日本のことが思い出されいかに日本の治安が良いかはじめて解ったような気もした。肌が直射日光を受けるとヒリヒリするような熱帯性気候のフィリピンを後にして我々は再び船内での研修に励みながら一路日本への帰途に就いたのだった。