波浮の港 

1 磯の鵜(う)の鳥ゃ 日暮れにゃかえる
  波浮の港にゃ 夕やけ小やけ
  あすのひよりは
  ヤレホンニサ なぎるやら

2 船もせかせりゃ 出船のしたく
  島の娘たちゃ 御神火(ごじんか)ぐらし
  なじょな心で
  ヤレホンニサ いるのやら

3 島で暮らすにゃ とぼしゅうてならぬ
  伊豆の伊東とは 郵便だより
  下田港とは
  ヤレホンニサ 風だより

4 風は潮風 御神火おろし
  島の娘たちゃ 出船のときにゃ
  船のともづな
  ヤレホンニサ 泣いて解く

 

  自分を追い詰めないようにすること。 

  その方法は、何にでも 

  「たかが」をつけて考えることです。 

  何も思いつめることはないや、 

  という気になってくるのは、 

  おもしろいことです。 

          曽野綾子