はじめに

ふるさとの海、編集にあたって

 私のふるさとは、徳島県阿南市大潟町です。近くには「あこめ」という左のような小さな海岸があります。また、家の前には大潟湾という天然の良港があって昔から漁港として栄えておりました。

 このような絶好の環境で育った私は、もの心ついたころからその海岸や干潟でよく遊びました。このホームページでは、懐かしいその想い出を書きとめております。

 

 

 

 海と言えば真っ先に思い出すのは、大潟湾の海底の世界です。私がはじめて大潟湾の海底に潜ったのは小学校3年生のころだったように思います。徳島のおじさんにいただいたお小遣いで水眼鏡を買いました。たぶん、友達が持っていたので私も欲しかったのではないかと思います。普段は水眼鏡が買えるほど小遣いはもらえなかったのでおじさんにもらった小遣いでわくわくしながら買ったのだと思います。

 大潟湾は大潮時になると干満の差が数メートルもあるので、干潮時には干上がった砂地をてくてく歩けますが、満潮時には大人でも海底に足が届かないほど潮が満ちてくるのでした。お隣の家が船大工さんでしたから、その家の前にはできあがった新しい船を進水させるために必要な巾5mくらいの小さな水門があって、陸側から海に向かってなだらかに降りて行けるようになっていました。その家の前の水門(両端は村の防波堤)には、あらかじめ分厚い落とし込み式の仕切り板が備えられていて、台風が接近にしてきたりすると高潮がこないようにその仕切り板をきっちりとはめ込むようにできていました。ところが、普段は仕切り板は外されていたので、潮が引き始めると私たちはそこから大潟湾の干潟にやすやすと降りてゆくことができるのでした。