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ステップ3

 1.行く手をさえぎる巨大な物体あらわる

 宇宙船2号は秒速40km(時速14万4千キロメートル)という素晴らしい速度で順調に火星めざして飛んでいた。この調子で行けば約3か月で火星まで行けるところまできていたのであるが、あと1か月というところで突然緊急事態が発生した。赤い警報ランプが点滅

メーテル「緊急事態発声!、前方30万キロメートルに正体不明で直径1kmの物体が現れました。しかも、こちらに接近しています。このまま進めば2時間後に衝突します。直ちに進路を変更し回避動作を開始します」

太郎「メーテル、進路変更了解」

次郎「メーテル、たのむぞ!」

メーテル「きゃあ~だめよ!、相手も進路変更してこちらに向かってくるわ、どうしましょう!」

太郎「な、なんということだあいてはまるで磁石に吸い寄せられるようこちらに迫ってくるぞ」

次郎「これは困った、絶体絶命の大ピンチだ、兄ちゃんヒューストンに緊急連絡してよ」

太郎「ヒューストン、ヒューストン、緊急事態発生、なぞの巨大な物体が正面から迫ってきます」

電波が届くまで30分もかかるので、1時間してから返信が来た、衝突までに残された時間はあと1時間である。

ヒューストン「了解、進路変更しても迫ってくるんだね、こちらで大至急対策を検討するよ」

・・・・・・・・無言の時間が流れる・・・・・・・・・

メーテル「ごめんなさい、あと10分で衝突するわ!」

と、そのときだった、地球からの指令が届いたのである。

大統領「こちらはアメリカ大統領、落ち着いてよく聞いてほしい、実は君たちには言ってなかったが万一のことを考えて本船には20発の迎撃(げいげき)ミサイルを装備している、まずはコンピューター画面を見て、次にキーボードのEscキーを3回押してくれ、すると直ちにパスワード要求画面が出るのでyamatoと入力してもらいたい、後はEnterキーを押すたびに1発ずつ発射できる、繰り返す、Escキーを3回押してくれ、するとパスワード要求画面が出るのでyamatoと操作してもらいたい、そして、Enterキーを押すのだ、ミサイルは自動的に発射され、目前の怪物を撃破し君たちを救うだろう、なお、1発発射したらそのあとはパスワード入力の必要はない、左手でEscキー、右手でEnterキーを押せばいつでも1発ずつ発射できるぞ、では幸運を祈る!!」

次郎「兄ちゃん、準備完了!!」

太郎「OK、ゴー」

次郎「Enter!!」

その瞬間ドドっと小気味よい発射音がして宇宙船の先端からミサイルらしき飛翔体が躍り出てまっすぐに相手の怪物に突き進み、あっというまにまばゆい閃光が宇宙の一端にまるで花火の様にババーと広がった、もちろん宇宙には空気は無いので音はしないが、感覚的には音がしたような気がしたのであった。

メーテル「だめ、怪物の大きさは半分になったけど、必死の形相で残り半分が矢のように突き進んでくるわ」

次郎「では!もう一発、Esc、Enter!!」・・・・またもや閃光が眼前でひろがる。・・・そして次の瞬間、残照のその中を宇宙船はまっすぐに突き進んで行ったのであった。

メーテル「キャア~~やった~~やったわよ」

太郎「次郎、みごとだ、助かったぞ!!」

太郎「ヒューストン、ヒューストン、太郎と次郎です、巨大な怪物を撃破し無事に航行を続けています、大統領閣下まことにありがとうございました。おかげで助かりました。怪物の正体ははっきりとはわかりませんでしたがおそらく巨大な小惑星だったものと思われます。」

・・・・・すると、1時間後、地球から力強い声で応答メッセージがあった。・・・・・

大統領「oh It is wonderful!太郎と次郎飛行士へ、聞こえますか、こちらはアメリカ大統領、君たちの勇敢な行動にすべての地球人類はびっくりしているよ、まったくすばらしい、でも油断しないでください、これからも色々なトラブルに見舞われるだろうから二人で力を合わせて乗り越えてください、それでは火星での救出作戦の成功を祈っています(Then, it is praying for a success.)それから、君たちの宇宙船だがこれからジュピターと呼ばせてもらうよ、ジュピターとは神様という意味なんだ。

太郎「ジュピターとは素晴らしい名前ですね、大統領ありがとうございます。」

 2.機内の空気圧力低下

 またもや警報が鳴って、

メーテル「緊急事態発生、ジュピターの機内圧が徐々に低下しています、空気が宇宙に漏れているんだわ」

太郎「それはたいへんだ、このままでは全員死んでしまうぞ、すぐに漏れ箇所を探してふさぐのだ」

次郎「ふたりで別々に探そう、兄ちゃんはこちらを、僕は貨物室を調べるよ、携帯用集音マイクを使おう」

メーテル「あと5時間で空気圧は真空になってしまうわ、いそいで調べてね」

・・・・・・・・・時間は刻々と過ぎてゆく、空気圧力は次第に下がってきた・・・・・・・

太郎「本体の方は異常なし漏れ箇所はないよ、貨物室の方はどうだ?」

次郎「だめだ、まだ見つからない」

太郎「よ~し、応援に行くぞ、ジュピターの運転は自動だからメーテル頼むぞ」

メーテル「もちろん、まかせて」

・・・・・・・・・宇宙兄弟は必死になって大きな貨物室をくまなく探していった・・・・・・・・・

次郎「わかったぞ、ここだここだ、怪物との戦いでひびがはいっていたらしい」

太郎「どれどれ、うん間違いはないな、しかし、ふさぐための材料はあるのだろうか?」

メーテル「ヒューストン、ヒューストン、緊急事態です、ジュピターの空気が抜けて行っています」

・・・・・・・1時間後、ヒューストンから返信がきた・・・・・・・・・・

ヒューストン「漏れ箇所がわかったら、鉄板をあてて周囲を溶接してください、材料は貨物室のタンス内にあるよ」

次郎「了解、すぐに対策します・・・・・・1時間後・・・・・・・対策完了」

メーテル「空気漏れは止まったので、これから空気を製造して圧力を徐々にもとにもどします」

・・・・・・・・・10分後、空気圧力はもとにもどった・・・・・・・・・・・

 

 3.異星人ギャオスあらわる

なぞの宇宙船「こちらは宇宙警察だ、おまえ達の宇宙船ジュピターはいやに速いじゃないか」

メーテル「宇宙警察なんて知らないわ、怪しい組織ね、いったいあなたたちは何者なの」

なぞの宇宙船「なんだとこのやろう、おれ様たちを知らないとはどういうことだ、逮捕(たいほ)するぞ」

メーテル「緊急事態発生、宇宙警察というえたいの知れない宇宙船が接近中、みんな目をさまして」

太郎「えっなに、なんだって?」

次郎「なんだって、ねむいよ、さっき寝たばかりなのに起こさないでよ、むにゃむにゃぐーぐー・・・」

メーテル「だから~、へんな宇宙船が近づいてきたのよ、宇宙警察だって」

太郎「そんなの聞いたことも見たこともないよ、あやしいな、次郎起きろよ(ゆりおこす)たいへんだぞ」

次郎「あ~ねむい、・・・・なに、なにかおいしいものくれるの」どうやら寝ぼけている様子

メーテル「へんな宇宙船が猛スピードで接近中、ミサイルをちらつかせているわ」

太郎「いちおうヒューストンにメールしておいたよ、返事は1時間後だからまにあいそうにないけど・・・」

次郎「起きたよ、顔をあらって歯も磨いてきたよ、いったいどうしたの?」

太郎「うん、あやしい宇宙船が接近中なんだ、いちおう宇宙警察って名乗ってるけど、メーテルも知らないそうだ」

次郎「ふ~~ん、レーダーで確認しようっと」

メーテル「こちらの速度は地上換算速度で一秒間に11.86キロメートル、ふつうの第二宇宙速度よ」

太郎「第二宇宙速度とは地球の引力圏をふりきって太陽系内の惑星から惑星へと移動が可能な速度なんだね」

次郎「知ってるよ、宇宙速度は第三速度まであって、第三速度だと太陽系を脱出可能な速度なんだろう」

メーテル「そう、第三宇宙速度は地上換算速度で一秒間に16.7km、つまり太陽の引力を振り切っちゃう速度」

謎の宇宙船「ばかやろう、こちらの速度は一秒間に30kmだぜ、どうだ驚いただろう、すぐに近くまでいくぞ」

太郎「宇宙警察という組織は太陽系内にはない、かれらは別の星からやってきた異星人かもしれない、しばらく様子を見て見よう」

謎の宇宙船乗組員こと異星人ギャオス「おれたちはアンドロメダ星雲からやってきたギャオスだ、宇宙全体を支配しようとたくらんでいるのさ、お前たちが地球からやってきたあんぽんたんってことはおみとうしよ、手を挙げて俺たちの部下になるなら許してやる、でなければ今からものすごいミサイルで攻撃するぞ!!」

太郎「とうとう正体をあらわしたなギャオス、部下になんかなるものか、どうして仲良くしないのだ、もうすこし話し合おうじゃないか」

ギャオス「話し合いだと、馬鹿を言え、宇宙を支配するのは力が強いものが支配するだけのことだ、おまえたちの地球でも昔からそんなことをしているじゃないか」

次郎「確かに昔の地球ではにたようなことはあったようだが、今では力を合わせて仲良くしているよ、地球の温暖化防止につとめたり、太陽の光で電気を作り、野菜や家畜をそだててみんなで楽しく平和に暮らしているんだ」

ギャオス「そういう地球が憎たらしいのだ、今に見ていろ地球を征服してやるからな、まずてはじめにジュピターを攻撃する、覚悟しろ、ミサイル発射!!」

メーテル「しかたないわね、バリヤを張るわ、」

バリヤとは、平和な地球防衛軍が最近開発した、ミサイル防御システム、異星人が発射したミサイルを追い返すしくみ

メーテル「ミサイルがジュピターにあたらず反転してギャオスの方に向かっていくわ、すごいバリヤの威力ね」

ギャオス「うわあああ、これはどうしたことだ、ばかやろう、こっちにもどってくるな!!!、ギャーーー」

・・・・・・・・宇宙の片隅で一瞬閃光が走る、謎の宇宙船は消滅した・・・・・・・・・

太郎「あわれだなあ、自業自得(じごうじとく)とはこういうことをいうんだね」

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 4.体調の管理

 乗員は健康に注意して、病気にならないようにしなければならない、船内に医者はいないし、もとより病院はないのだ。では、いったいどんな工夫をしているのだろう。睡眠を十分にとる、栄養も適切にとる、顔を洗う、歯も磨く、そして休憩時には適度な体操をする、1日に一回はシャワーを浴びて石鹸で頭や身体をきれいに洗い皮膚を清潔に保つ、これらは読者諸君とまったく同様、人間が健康に生きていくための自己管理をおこたらないことだ。

 体調の管理をしっかり行えば、空気も常に自動的に浄化されているしもとより船内は出発時に徹底的に清掃されているので風邪のビールスなどは存在しないから風邪をひくようなことはない。それでも、もしも病気になったら、ある程度の薬や注射は用意されており、乗員はその取扱い訓練は十分にできている。

 5.家族との通信

 家族との通信は、肉声またはメールでのやりとりができる。しかし、地球から遠ざかるにつれて電波のとどく時間がかかりもどかしくなる。それでもこれが一番の楽しみとなる。ただし、家族および地上職員以外との通信は禁止されている、まちがってもできないようにインターネット通信はブロックされている。なぜなら、世の中の人はたいはんが善人だが、ごく一部にとんでもない悪人がいてコンピュータウイルスを送りつけてきたりする危険があるからだ。

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