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 イカ・タコ

1.モンゴウイカ

 大潟ではイカといえばモンゴウイカだった。刺身にして食べると少しねっとりしているが新鮮な場合は少し弾力性があるという特有の食感がして醤油を付けるとこれほど美味いイカはない、高級魚であり大潟でも魚屋には少ししかおいていなかった。にぎりずしにしてワサビを効かしこれに少し醤油を付けて食べると絶品である。

2.スミヤキ(正式名:スミイカ)

 

 料理する時に黒い墨がたくさんでる。モンゴウイカに比べると肉厚が薄く、食感もやや劣るが、新鮮なうちに刺身にすると淡白で美味しい。煮付けにすると硬くなりあまり美味しくない。

3.ミズイカ(正式名:アオリイカ)

 大潟で子供のころ盛んに食べたのは5~7cmくらいのミズイカの幼生であった。これを綺麗に洗ってまるごと煮つけにすると写真のような感じになる。熱いうちに食べると特有のうまみがあって数匹までは食べれるが、それ以上になるとなぜか飽きてしまうのだった。煮付けたものが冷えると生臭くて食べる気がしない、要するに食糧難の時代ではあったが私はこのイカだけは好きになれなかった。このイカは成長すると50cmくらいにもなるのだそうであるが、私はまだ見たことはない。おおきなミズイカは刺身にすると美味しいらしいのだが・・・

4.マダコ

 日本では普通にタコと言えばマダコのことである。マダコは比較的浅い海岸に住んでいる。砂地ではなく岩礁地帯や石垣の防波堤などを好みその物陰に潜んでいて夜眠っている小魚や貝類を襲って食べている。大潟の老漁師がタコツボを使って行う漁は今でも盛んに行われている。

食べ方はいたってシンプルで、塩茹でにして好みに合わせて適当にスライスしてわさびと醤油で味付けして酒の肴にして食べる。子供のころはアルコールは飲まないのでご飯のおかずにして食べたが、足2本くらい食べると飽きが来るのであった。近年ではにぎりずしのあてにして食べたりもしている。

5.テナガダコ

 このタコは砂地に住んでいる。実は大潟湾の干潟にもこれがたくさん住んでいた。砂地に穴を掘って昼間はその穴に潜んでいるのである。夜になると穴から出てきて周辺をパトロールして付近にいる小魚やエビ、貝などを捕食するという生態が確認されている。煮つけにして食べるとマダコと同じような味がするが、頭は小さく足が細長いために量が少なくあんまり食欲をそそってくれない存在だった。

 秋も深まり夜に干潮になるような時に、カーバイトランプをぶらさげて干潟の浅瀬を歩いているとこのタコにでくわすことがあった。警戒心があんまりないのでいきなり手でつかむこともできたが、たくさん採っても食べきれないので3匹目からは逃がしてやることにしていた。