水星
太陽の一番近くを回っている惑星です。、公転周期が88日と速いため、地球から見ると数か月で見える角度が大きく変わるし、地球よりも太陽に近い位置にあるので地球からは夜は観測角度の関係で見えず、昼間は太陽と地球大気の明るさに紛れてしまい見えませんが、天気が良ければ、明け方や夕方の水平線上に見ることができます。
水星のすがた
表面はクレーターで覆われています。これは水星が誕生した直後に多数の微惑星が衝突した痕跡です。水星の内部にはかなり大きな鉄の核があります。また、水星の探査機から、水星の周囲には磁場があることが分かりました。これは予想外のことでなぜ磁場があるのか今でも謎なのです。
太陽系内の惑星のなかで地球に次いで密度の高い水星は、その直径の3分の2から4分の3にもなる巨大な核があると考えられています。水星は最も小さな惑星であり、そのため急速に冷えていくため内部は固体であると考えられていましたが、マリナー10号によって微弱ながら水星固有の磁場が発見され、その後の観測より、液体の核をもつ可能性が示唆されています。なぜ水星のような小さい惑星で核が溶けたままいられるのか、大きな謎となっています。今後、水星探査機「メッセンジャー」などの観測によりその謎が明らかにされてゆくことが期待されています。
ひるとよるの気温差が激しい水星
太陽の最も近くにある水星は、太陽の強烈な光や熱を地球の7倍も受けています。そのため、昼には表面の温度が摂氏400度まで高くなります。しかし、大気がほとんどなく、自転の周期が非常にゆっくりしているので、太陽の側を向いていない夜の面では、熱がほとんど失われてしまいます。そして、夜明け前には温度が摂氏マイナス160度にまで下がってしまうのです。
水星表面にクレーターが多い理由
水星は太陽の近くにあるため、地球からは日没直後と日の出前の短い時間しか見えません。そのため観測しにくく、あまり詳しいことは分かりませんでした。1974年アメリカの惑星探査機「マリナー10号」によって、水星の表面が初めて観測されました。このときの調査で水星の表面は月のように無数のクレーターで覆われていることが分かりました。いちばん大きなクレーターである「カロリス盆地」は直径1,300kmもあり、水星の直径の4分の1以上もあります。また、水星特有の地形として、水星の表面全体に見られるしわのような地形があります。これは高さ2kmを超える断崖で「リンクル・リッジ」と呼ばれています。このような地形は、水星ができたばかりのときには熱かった核が、冷えて収縮した際、星の表面とともに縮んでつくられたと考えられています。
水星の探査
水星を訪れた探査機は、1973年に打ち上げられ、通過しながら観測したマリナー10号以来ありませんでした。太陽に近づくと高温なためと、水星まで行ってそこでとどまるためには、多くの燃料が必要だからです。しかし、2011年にはアメリカの探査機メッセンジャーが行きました。