金星

夕方や明け方に見える明るい星が金星です。金星は地球より一つ内側を回っている惑星です。地球にもっとも近づく惑星で、いちばん近い時には、火星よりも近づきます。大きさや重さは地球とほぼ同じなので、地球のふたご星といわれています。衛星は一つもありません。大きさなどは地球に似ているのに、表面の様子は地球とはたいへんことなっています。表面上空はいつも厚い雲に覆われていて、地球からの光の観測ではほとんどわかりませんでした。しかし、多くの探査機のおかげで今ではかなりくわしく分かってきました。

金星のすがた、探査機「マゼラン」が明らかにした金星表面の様子

金星には海がありませんが、でこぼこした高地や平原があります。山や山地もあり、長くうねった渓谷もあります。環状地と呼ばれる金星独特の地形もあります。これらの地形には、伝説や歴史上の人物にちなんだ、さまざまな地名がつけられています。

自転方向が地球(左まわり)とは反対(右まわり)である

公転方向は地球と同じだが、自転方向が逆、なぜそうなっているのか理由はわかっていない。地球の自転周期は1日だが、金星は243日であり地球に比べると超スローである、その理由もわかっていない。

金星の大気

金星の大気は96%が二酸化炭素でできていて地球とは大きく異なります。二酸化炭素は重いので地表の気圧は地球の90倍もあります。地表の熱を逃がさないので気温も470℃と高温です。金星の雲は太陽の光をよく反射するため、地球からは他の星よりも明るくかがやいて見えます。雲は二酸化硫酸のしずくでできており晴れることのない雲です。

金星の二酸化硫酸の雲や、大気中の二酸化炭素についての仮説

金星誕生後の火山活動により、火山ガスが放出された。その成分中には、二酸化硫酸のもとになる硫黄や、二酸化炭素があった。ちなみに地球の火山でも噴出物に硫黄や二酸化炭素が含まれていることから、金星も地球も誕生直後は同様な姿であったと考えられている。その後、地球には海ができたが、金星には海ができなかった(あるいは初期にはできたが、途中で消失したかも)。地球では火山ガスの成分は海に溶け込んだが、金星はできずに現在の姿になってしまったと考えられている。

金星の地殻構造について、参考:宇宙情報センター

大きさや密度が地球とよく似ている金星ですが、その内部構造も地球とほぼ同じであると考えられています。地表から深さ約30kmまでケイ酸塩からなる地殻があり、その下にはケイ酸塩からなるマントルが広がっています。中心には金属の鉄・ニッケルからなる核があります。

日本の金星探査計画

金星探査機「あかつき」は、2010年12月の金星周回軌道への投入失敗後、2015年冬期の金星会合の機会に金星周回軌道へ投入する計画を検討してきました。
詳細な検討を行った結果、JAXAは「あかつき」を2015年12月7日(月)に金星周回軌道へ再投入することを決定しました。
「あかつき」は金星周回軌道に投入後、リモートセンシングによって地球の双子星と言われる金星の大気を観測する予定です。大気循環のメカニズムの解明や、地球との比較によって「惑星気象学」を発展させることが期待されます。

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金星のデーター

太陽からの距離
   1.082億km

自転周期 243日

公転周期 225日