地球

地球は太陽から3番目に位置する惑星です。直径は約1万3,000km、赤道のまわりは約4万kmあります。地球はよく「水の惑星」と呼ばれ、太陽系の中でも地球にだけ表面に大量の水が存在します。

地球のすがた

地球は太陽からの距離がほどよいため、水を液体に保っていられるのです。その水のほとんどは海にあり、地球の表面の7割を占め、このおかげで生物が住みやすい環境ができているのです。今までの探査で分かっているかぎりでは、太陽系8つの惑星と160以上の衛星のなかでも、生物の存在が確認されているのは地球だけです。

四季がある

自転軸のかたむきによって四季の変化が見られる。

地球は1年かけて太陽のまわりを公転します。自転軸が公転面に垂直な方向に対して約23.4度かたむいたまま公転するので、季節の変化が見られます。日本の夏には太陽は北半球側から光を当てるので、北半球は暑く、南半球は寒くなります。また日本の冬はその逆で北半球は寒く、南半球は暑くなります。日本の春や秋はその中間にあたるので、ほどよい季節になるわけです。

大気と水が、生物が住める環境にしてきた

地球のまわりをとりまく大気は、約500kmの厚さがあります。体積の割合で全体の78%が窒素(ちっそ)、21%が酸素、あとはアルゴンや二酸化炭素などで、酸素はほかの惑星に比べてとても多くなっています。大気のおかげで太陽からの有害な紫外線やX線を通さず、また地上の熱を宇宙に逃がすことがありません。また、大気の中の水蒸気は雨や雪になります。大気と水とが地上の適度な温度を保ち、生物が住みやすい環境をつくり上げていると言えます。

地球の内部構造がよく知られている

地球は、地震波などを用いて内部の構造が詳細に調べられています。地球の地殻は場所によって厚みが異なり、大陸で平均約50km、海洋で平均約5kmです。大陸地殻は主に花崗岩質、海洋地殻は主に玄武岩質の岩石からできています。地殻の下には深さ約2,900kmまでマントルがあり、主にかんらん岩からできています。マントルの上部は溶けて流動しやすい状態になっており、その上にマントルの最上部と地殻(合わせてプレートと呼ぶ)が乗っています。大陸の移動や地震、火山活動などは、このプレートの動きと密接に関連しています。中心には金属の鉄・ニッケルからなる核があり、固体である内核と液体である外核に分かれています。

磁気圏があり生物を守っている

     

地球の核は鉄やニッケルなどの合金でできており、内核が固体、外核が液体となっています。液体の外核のなかで内核が回転運動することによって電流が発生し、地球をひとつの大きな磁石にしていると考えられています。これはダイナモ作用と呼びますが、ダイナモの特徴として磁場の向きが時々反転します。地磁気の南北反転が少なくとも過去数億年にわたって続いてきたことが、地球の岩石に残された残留磁気の測定から分かっています。この地磁気は地球を取り巻いて磁気圏を形成しており、地球の大気だけでは防ぎきれない、生物にとって有害な太陽風や宇宙線などをある程度防ぐバリアの役割を果たしています。また、磁気圏が強い太陽風を受けることで磁気嵐が発生し、地球の極地方でオーロラが見られる原因になります。

地球の衛星 月

(1)月の基本情報

   ・地球からの平均距離:38万4,400km
   ・大きさ(赤道半径):1,738km
   ・質量(地球に対して):0.0123倍
   ・平均密度:3.34g/cm³
   ・公転周期:27.322日
   ・自転周期:27.322日

(2)大きな謎

月は地球からいちばん近いところにある天体で、地球のまわりを回る衛星です。地球からの距離は約38万kmで、地球の赤道を1周すると4万kmですから、地球の赤道のまわりを9周半したくらいの距離にあたります。大きさは地球の約4分の1、重さは地球の81分の1ほどです。しかし他の惑星の衛星は、大きくても大きさが10分の1、重さは1000分の1ですので、月は衛星としては地球に比べると割合で非常に大きく、月がどのようにして誕生したかは大きな謎となっています。自転周期と公転周期は同じ27.322日と等しく、地球からはいつもほぼ同じ面しか見ることができません。

(3)凸凹に富む月の表面

月の表面には大きく分けて「海」と呼ばれる黒っぽい平らな部分と、「陸」と呼ばれる白っぽい山や谷の部分があり、隕石との衝突によってできた山の噴火口のような「クレーター」と呼ばれるくぼ地が多数見られます。クレーターは大きいもので直径が300kmを超え、深さも数千mあります。月の裏側は地球からは見ることができず、1959年に旧ソ連の月探査機「ルナ3号」がはじめて撮影に成功しました。表側と似ていますが、「海」と呼ばれる部分が少なく、ほとんどの部分がクレーターで覆われています。特に裏側の南半球には、直径約2,500kmにも及ぶ、南極から赤道域まで達する巨大な窪地(南極エイトケン盆地)があります。月の最高点と最深点の差は約20kmであり、大きさが4倍ある地球の高低差と同じくらいです。

(4)日本の月周回衛星「かぐや」

日本が2007年9月に打ち上げた月周回衛星「かぐや」は、1960年代後半から70年代前半にかけてアメリカが行ったアポロ計画以来の、本格的な月の探査計画を行っています。この計画の主な目的は、月の起源と進化の解明のための科学データを取得することと、月周回軌道への投入や軌道姿勢制御技術の実証を行うことです。「かぐや」は月のまわりを周回しながら15種類の装置を使って月を探査し、月表面の元素組成、鉱物組成、地形、表面付近の地下構造、磁気異常、重力場の観測を全域にわたって行います。これらの観測によって、総合的に月の起源・進化の解明に迫ると期待されており、月の全球地図を作成したり高度データを取得したりしたほか、表と裏で重力場に違いがあることや地下構造に層状構造があること、月の裏側の一部では従来考えられていたよりも最近までマグマ活動があったことなどがわかってきています。

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地球のデーター

太陽からの距離
  1億4,960万km

大きさ(赤道半径)
     6,378km

質量5.974X1024kg

平均密度 5.52g/㎤

公転周期 365.257日

自転周期 0.9973日