春の浜
2021.03.04


鉄砲海老の 爪打ち鳴らす 浜の春    光彦

■阿南市の大潟湾は春が深まるに連れて干満の差が著しくなり、干潮時には海底の干潟が沖の方まで広がるのであった。子供のころの私は半ズボン姿で裸足のままその干潟でよく遊んだものである。干潟には所々に大小の岩石が埋まっておりその下が鉄砲海老の隠れ家になっていた。潮が引いて岩石が露出すると待ちかねていたように石の下から鉄砲海老の雄が爪を打ち鳴らすのであった。その音は雌の海老を誘い出す恋の歌であったのである。
2021.03.04 16:27 | 固定リンク | 未分類

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