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2015/10/22(松山市の重信川沿い、森松町の松原泉辺りの自然観察)

1.場所、重信川沿いに、2006年に整備された松原泉周辺親水公園
  松山市駅から伊予鉄の路線バスで来たら、重信橋手前(森松橋詰)でバスを降りる。

2.メンバー
  前回同様、講師1名、受講者6名

3.観察状況

講師は今日も知性的かつ行動的でした。

(1)昆虫

・アキアカネ

参考情報:アキアカネ(秋茜、学名:Sympetrum frequens )は、トンボ科アカネ属に分類されるトンボの一種。日本では普通に見られる。俗に赤とんぼと呼ばれ、狭義にはこの種だけを赤とんぼと呼ぶことがある。季節的な長距離移動がよく知られている。

・ミヤマアカネ

参考情報:ミヤマアカネ(深山茜、学名:Sympetrum pedemontanum elatum)は、トンボ科アカネ属のトンボの一種。日本全土に分布している。 成虫は7月上旬頃から羽化し、11月頃まで見られる。和名は深山茜であるが、実際には高標高地に限らず丘陵地から低山地にかけて広く分布する種。他のアカネ属の仲間が止水性であるのに対し、本種は小川や用水路などの水深が浅く緩やかな流水域を好む傾向があり、池や沼のそばでは本種を見かけることは少ない。羽化後は羽化水域近くの、ススキやアシ等の群生したやや背丈の高い草むらに移動し、体が成熟するまでそこで摂食活動を行う。

・ハグロトンボ

参考情報:ハグロトンボ(羽黒蜻蛉、学名:Calopteryx atrata)は、カワトンボ科のトンボ。別名ホソホソトンボ。成虫の体長は 57-67mm、後翅長 35-44mm ほどで、トンボとしてはやや大型。雌の方が雄より若干大きいが、大差はない。翅が黒いのが特徴で、斑紋はなく、雄は体色が全体的に黒く緑色の金属光沢があるのに対し、雌は黒褐色である。他のトンボのように素早く飛翔したりホバリングしたりせず、チョウのようにひらひらと舞うように羽ばたく。その際、パタタタ……と翅が小さな音を立てる。どこかに留まって羽根を休める際もチョウのように羽根を立てた状態で、四枚の羽根を重ねて閉じるという特徴がある。

・マユタテアカネ

参考情報:マユタテアカネ(眉立茜、学名:Sympetrum eroticum eroticum は、トンボ科アカネ属のトンボの1種。同属のアキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボなどとともによく見られる。和名は本種の特徴である顔面にある眉状斑に由来する。

・クルマバッタモドキ

参考情報:クルマバッタモドキ(車飛蝗擬、Oedaleus infernalis)は、バッタ目バッタ科の昆虫。背面に1対の白い「く」の模様があり、「X」の形に見える。体長(頭頂より羽の先まで)オス28-30mm、メス45-55mm。クルマバッタに酷似しているが、やや小型。後ろばねの車状の模様はやや薄い。また、飛ぶときに羽音を立てない。背中の半円状の盛り上がり方が少なく、体の模様もやや異なる。顎が体色と同じ(クルマバッタは青い)のが区別する良いポイント。また後脛節はオスのみ赤い。顔を正面より見たとき、クルマバッタよりやや下膨れになり、複眼は丸みが強く、飛び出ているように見える。また複眼に入る筋模様がよりくっきりしている。

生態:草原性かつ地上性。若い幼虫は草に登ることもあるが大きくなるにつれ地面で生活する。基本的に乾燥した草がまばらな環境を好むが適応力に富み、比較的湿潤な環境にも見いだされる。本来の生息場所である海岸では特に個体数が多いが、攪乱(かくらん)により他のバッタ目昆虫が勢力を弱めたり居なくなってしまったような環境でもたくましく生活する。たとえば、住宅地内の空き地や、墓地内の路肩といった、比較的粗末な環境でも繁殖を繰り返す。そのため近似種クルマバッタよりも遥かに普通に見られる。
孵化は4-6月に掛けて長期間にわたる。そのため羽化もばらつきがあり、早いものは6月、遅いものは9月に入ってから羽化するものさえある。この生育のばらつきは同様に適応力に長ける近似種トノサマバッタの年数回発生するシステムとはまた異なる適応戦略であると考えられる。
オスはメスを見つけるとすぐには背に乗らず、まずメスの機嫌を伺うようにしながら前羽を後ろ足でこすり発音し、メスがそのまま逃げなければ背に飛び乗ることが出来る。交尾する気がないメスは飛んでオスから逃げてしまう。背に乗ってからもしばらくはメスの機嫌を伺い続け、メスに気に入ってもらえた時点でやっと交尾が成立する。オスは腹部をS字状に曲げてメスの腹の先を掴み、交尾が行われる。交尾が済んで卵が成熟したメスは地面を掘り進みながら腹部を普段の2倍以上のばし、産卵する。卵は非常に細かい泡でくるまれており生まれたばかりは白いが固まると薄い赤褐色となる。メスは力つきるまでの3ヶ月間の間、3-6回ほど産卵する。

・トビケラの幼虫

参考情報:トビケラ類の幼虫はいさご虫(沙虫)と呼ばれ、水中生活で、多くが巣を作る事で有名である。巣は水中の小石や枯れ葉などを、幼虫の出す糸でかがって作られる。巣の型には大きく携帯型(移動できる)のものと固定型の2つがある。

関連情報、トビケラの成虫の姿

(2)植物

・カナムグラ

参考情報:カナムグラ(鉄葎、Humulus japonicus)はアサ科(以前はクワ科に分類されていた)の一年草。 和名「鉄葎」は強靭な蔓を鉄に例え、「葎」は草が繁茂して絡み合った様を表すように、繁茂した本種の叢は強靭に絡み合っており、切ったり引き剥がしたりすることは困難である。

・アマゾントチカガミ

参考情報:アクアリウムやビオトープ用として流通する、いわゆる「アマゾンフロッグビット」である。トチカガミにも見えるが、葉に入る切れ込みの深さの違い、草体の大きさなどが異なる。トチカガミ同様に浮葉の裏側に浮袋を持ち、浮葉を水面に安定させる形状をしている。帰化実態がよく知られていないが、種子による世代交代は行っていないようだ。ホテイアオイ同様に草体の一部を残し越冬を行う。無性生殖の速度がトチカガミ同様に早く、水域生態系への影響も懸念される。

4.今回の感想

重信川の河川敷に美しい泉と、そこから湧き出た透明な水の流れがあり、そこに珍しい植物や昆虫が暮らしているのをはじめて知りとても驚きました。

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