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2015/12/10、今回は鴨などの自然ウオッチング(12/16、記事を追加しました。)

1.えひめ森林公園、大谷池にて

(1)場所(愛媛県伊予市上三谷 )

JR四国の伊予横田駅より車で10分くらい

(2)この日の大谷池の様子

天候曇り時々雨、観察開始すると雨が運よく止みました。

(3)今回の講師は日本の野鳥に詳しいOさんでした。ありがとうございました。

(4)ウオッチングの様子、参加メンバーはいつもの6名

(5)マガモは夜行性のため昼間は休んでいるのだそうだ。

(6)カルガモの遊泳

(7)大谷池には観賞用の鯉が飼育されていました。

2.場所を変えて近くの蓼原池(たではらいけ)へ

(1)池の様子、数種類の鴨たちが仲良く浮かんでいました。

(2)鴨は人間と距離をおいてはいるが、さほど警戒感はないように見えました。

(3)池の傍には予讃線があり、ほどよい鉄道写真ポイントでもありました。

3.大谷池で出会ったマガモについて(出典:wikipedia)

◆マガモ、カモ目カモ科に分類される(手前がオス、向こうがメス)

◆分布

この鳥は、北半球の冷帯から温帯に広く分布し、北方で繁殖するものは冬季は南方への渡りをおこない越冬する。

日本では、亜種マガモが冬鳥として北海道から南西諸島まで全国的に渡来し、北海道と本州中部の山地では少数が繁殖する。 本州中部以南でも本種が繁殖したとの記録がたまに見受けられるが、これはアヒル・アイガモが繁殖した可能性が高い。
アヒルやアイガモとマガモは生物学的には同じ種であり識別しがたい場合もある。

◆生態

非繁殖期は、湖沼、河川、海岸に生息する。群れを形成して生活する。越冬中の10月末-12月につがいを形成し、春には雄雌が連れ立って北方の繁殖地へ渡る。繁殖期は湖沼、池、湿地の周辺の草地などに生息する。

食性は植物食が主の雑食。水草の葉や茎、植物の種子、貝などを食べる。水面を泳ぐのは上手だがもぐれず、水中に首を突っ込んだり逆立ちしたりしてえさをとる様子がよく見られる。

繁殖形態は卵生。繁殖期は4-8月で、水辺に近い草地の地上に座って首で引き寄せられる範囲の草をあつめて浅い皿状の巣を作り、1~13個(平均11個)産卵する。卵は白色で平均サイズは57×41mm。他のカモ類と同様、抱卵・育雛はメスのみで行う。卵は抱卵開始から28~29日で孵化し、雛は42~60日で飛べるようになる。

 

4.マガモ以外の鴨、今回出会った主な種類について抜粋(出典:wikipedia)

(1)コガモ、カモ目カモ科マガモ属に分類される(左:雄、右:雌)

◆分布

ユーラシア中部・北部および北米大陸中部・北部で繁殖する。冬季はヨーロッパ南部、北アフリカ、中近東、南アジア、東アジア、北アメリカ中部から南部へ渡り越冬する。日本では、冬鳥として全国に飛来する。全国で普通に見られ、市街地の河川や公園の池などでも観察される。中部地方以北の高原や北海道の湿原では、ごく少数が繁殖している。カモ類の中では冬の渡りが早く、また春の渡りが遅めである。越冬中は群れで生活し、関東地方では9月頃から4月頃にかけて見ることができる。

◆生態

非繁殖期には、湖沼、池、河川、干潟などに生息する。淡水域に多い。越冬の終盤である2月末〜3月につがいを形成し、繁殖地へ渡る。つがいを形成する前の11月〜1月頃には、オスはメスに対して盛んにディスプレイ行為を見せる。繁殖期には、河川や湿地の周辺の草地などに生息する。食性は植物食で、河川や湖沼などの水面から届く範囲の藻や水草などを食べる。夜間に採食することが多い。

(2)ハシビロガモ、カモ目カモ科マガモ属に分類される(左:雄、右:雌)

◆分布

北アメリカ大陸やユーラシア大陸の高緯度から中緯度地域で繁殖し、冬季になるとアフリカ大陸北部、北アメリカ大陸南部、ヨーロッパ南部、インド、中華人民共和国南部などへ南下し越冬する。 日本では冬季に越冬のため飛来し(冬鳥)、北海道で少数が繁殖する

◆生態

繁殖地では開けた草原に生息し、越冬地では河川、湖沼、池などに生息する。越冬地では数羽から十数羽の群れを形成するが、数十羽の群れを形成することもある。

食性は植物食傾向の強い雑食で、種子、プランクトン、昆虫、軟体動物、魚類などを食べる。属内では動物食傾向が強く、動物食を食べる比率が30%以上に達することもある。水面に嘴をつけて水ごと食物を吸い込み、嘴で食物だけを濾し取り水だけを吐き出して採食を行う。

繁殖形態は卵生。5-7月に水辺にある草本の丈が短い草原に、枯れ草などを組み合わせた直径20-30センチメートルに達する巣をメスが作る。7-14個の卵を産む。メスのみが抱卵し、抱卵期間は22-28日。雛は孵化してから40-45日で飛翔できるようになり独立する。生後1年で性成熟する

(3)オカヨシガモ、カモ目カモ科マガモ属に分類される(左:雄、右:雌)

◆分布

北アメリカ大陸北部、ヨーロッパ北部、シベリアなどで繁殖し、冬季になるとアフリカ大陸北部、ヨーロッパ南部、インド、中華人民共和国東部などへ南下し越冬する。日本では亜種オカヨシガモが冬季に越冬のため少数飛来し(冬鳥)、北海道ではごく少数が繁殖する

◆生態

湖沼、湿原、三角州などに生息する。食性は主に植物食で、種子、茎、葉、根、水生植物、昆虫、魚類、両生類などを食べる。主に小規模な集団で水面に頭をつけて泳ぎながら採食を行う。

繁殖形態は卵生。集団繁殖地(コロニー)は形成しないものの巣から5メートル以内に別の個体が巣を作ったり、十数メートル間隔で数十個の巣が密集した例もある。5-7月に水辺の茂みなどに枯れ草を組み合わせた巣をメスが作り、8-12個の卵を産む。メスが抱卵し、抱卵期間は24-26日

(4)ホシハジロ、カモ科ハジロ属に分類される(左:雄、右:雌)

◆分布

ヨーロッパからシベリア(バイカル湖)までの地域で繁殖、冬季になるとアフリカ大陸北部、中近東、インド、中華人民共和国東部などへ南下し越冬。日本では冬季に越冬のため飛来し(冬鳥)、北海道では少数が繁殖する。

◆生態

湖沼、河川、河口、内湾などに生息、食性は植物食傾向の雑食で種子、葉、芽、地下茎、魚類、両生類やその幼生、昆虫、甲殻類、軟体動物、環形動物などを食べる。
繁殖形態は卵生。水辺のイグサやヨシの茂みや水面に浮かぶ水生植物の上などにヨシを積み上げた巣を作り8-10個の卵を産む。メスのみが抱卵し、抱卵期間は24-28日。雛は孵化してから50-55日で飛翔できるようになり独立する。生後1-2年で性成熟する。

(5)オナガガモ、カモ科カモ亜科マガモ属に分類される(左:雄、右:雌)

◆分布

ユーラシア大陸の北部と北アメリカ北部の寒帯から亜寒帯にかけての地域で繁殖し、冬季はユーラシアおよび北アメリカの温帯から熱帯地域やアフリカ北部に渡り越冬する。カモ類の中ではマガモ、コガモ、ハシビロガモに並んで分布域が広い。アジア極東部で繁殖するものは、同じ個体が年によって日本などのアジア地域や北アメリカと異なった地域で越冬することが、足環を使った標識調査で確認されている。日本では全国に冬鳥として多数渡来する。

◆生態

越冬地では湖沼、河川、海岸などに生息する。群れを形成する。日本では、各地のハクチョウ渡来地において、ハクチョウ類の周囲に多数群がっているのが観察される。
食性は雑食性で、植物の種子や水草、貝類などを食べる。昼間は休息をとり、夜間に餌場に移動して採餌するが、餌付けされている地域では日中も活動する。ハクチョウ渡来地ではハクチョウの餌付けの際に殺到する様が見られる。
また、北アメリカでは多数飛来するオナガガモに作物を食害されないように、ムギなど穀物の一部をわざと収穫せずに畑に残し、オナガガモに食べさせている。
繁殖形態は卵生。繁殖期は5-7月で、抱卵・育雛はメスが行う。オスはコガモのような高い鳴き声の他「ピル、ピル」などいくつかの違った声で鳴く。メスの鳴き声はマガモのように「ガーガー」である。

(6)カルガモ、カモ科マガモ属に分類される(左:雄、右:雌)

◆分布

大韓民国、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、日本、ロシア東部に分布する。日本では主に本州以南に周年生息(留鳥)する。和名は「軽の池」(奈良県橿原市大軽周辺とする説もあり)で夏季も含めて見られたカモであったことに由来すると考えられている。

◆生態

湖沼、河川などに生息し、冬季になると海洋にも生息する。渡りは行わないが、北部個体群は冬季になると南下する。食性は植物食傾向の強い雑食で、種子、水生植物、昆虫などを食べる。狩猟で撃ち落とされた本種で、3.2-6.6センチメートルのオイカワを30尾食べていた例もある。水面でも陸上でも採食を行う。
繁殖形態は卵生。亜種カルガモでは集団繁殖地(コロニー)を形成することもある。水辺に巣を作る。基亜種は7-9個、亜種カルガモは10-12個の卵を産む。亜種カルガモの抱卵期間は26-28日。少なくとも基亜種においてはオスも育雛を行った例がある。雛は孵化してから2か月で飛翔できるようになる。

5.鴨以外の鳥もいましたね、カイツブリがいました。(左:雄、右:雌)

ふるさとの「うてび川」にもいました。鳴きながらよく水面飛行をしていたのを覚えています。見た目には雄と雌の見分けがつかないのがカイツブリの特徴だそうですよ。留鳥だが説によっては移動することもあるらしいのだが、個人的にはカイツブリが空中を飛ぶ姿は見たことがありません。でもうてび川から山越えに離れた大潟湾でも浮かんでいるのを時折見たことがあるから空中を飛ぶこともあるのは本当なのだと思います。

(1)カイツブリ、分類:カイツブリ科カイツブリ属、(出典:Wikipedia)

◆分布

アフリカ大陸、ユーラシア大陸の中緯度以南、イギリス、インドネシア、ソロモン諸島、日本、パプアニューギニア、フィリピン、マダガスカルに生息。多くは留鳥であるが、北のものは生息場所の凍結を避け、南に移動する。 日本では、本州中部以南では留鳥として周年生息するが、北部や山地のものは冬に渡去することから、北海道や本州北部では夏季に飛来する夏鳥となる。

◆生態

流れの緩やかな河川、湖沼、湿原などに生息し、まれに冬季や、渡りのときには海上で見られることもある。主に水上で生活して、ほとんど歩くことはない。 川中の浅瀬を横断するために歩く姿が見られることもあるが、歩くのは非常に不安定のようである。 足は歩くためではなく櫂の役割のためにあるとみられ、足が生えている位置もほかの水鳥とは違い 尻付近から出ている。 泳ぐ姿は上から見ると、カエルの後ろ脚のように使う。

食性は主に動物食で、魚類、昆虫、甲殻類、貝類などを食べる。巧みに潜水して獲物を捕食する。1回に平均15秒前後(状態により数秒から30秒)潜水し、およそ秒速2mで泳ぐとされるが、最高で水深2メートルまでと深くは潜らない。

淡水域で繁殖、繁殖期には縄張りを形成する。水辺近くの水生植物や杭などに水生植物の葉や茎を組み合わせた逆円錐状の巣を雌雄で作り、4-12月に1回に4-6個の卵を年に1-3回に分けて産む(日本では主に4-7月繁殖。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は20-25日。卵は白いが次第に汚れて褐色になり、親鳥が巣を離れる際には卵を巣材で隠す。早成性で雛は泳げ、孵化後約1週間で巣から出るようになる。

小さいうちは親鳥が背中に乗せて保温や外敵からの保護を行い、雛を背中に乗せたまま潜水することもある。雛は自分で採餌できるようになるまで親鳥より餌の捕えかたを教えられ、その後追われるようにして独立を促されて、およそ60-70日で巣立つ。雛は生後1年で性成熟する。冬季には20-30羽からなる群れを形成することもある。あまり飛ばないが、飛翔の時には水面を蹴り助走した後、通常低く飛ぶ。鳴き声は、キリッキリッ、キリリリと鋭く鳴き、繁殖期には雌雄が鳴き交わす。警戒時にはピッと強く短い声を発する。

6.オオバンもいました、ツル目クイナ科オオバン属(雄、雌の見分けが困難な鳥)

◆分布

アフリカ大陸北部、ユーラシア大陸、アイスランド、イギリス、スリランカ、日本、フィリピン、夏季にヨーロッパ、シベリア、朝鮮半島などで繁殖し、冬季になると東南アジアやアラビア半島、サハラ砂漠などへ南下し越冬する。 日本では夏季に北海道(夏鳥)、本州、九州で繁殖し、冬季になると本州以南で越冬する(冬鳥もしくは留鳥)

◆生態

湖沼、湿原、水田などに生息する。非繁殖期には大規模な群れを形成することもある。英名cootは鳴き声に由来するという説もある。食性は植物食傾向の強い雑食で、主に水生植物を食べるが魚類、鳥類の卵や雛、昆虫、軟体動物なども食べる。繁殖形態は卵生。水辺や水生植物の中に植物を積み上げた皿状の巣を雌雄で作り、1-13個の卵を年に2回(3回産むこともあり)産む。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は21-24日。雌雄共に育雛を行い、年に2回以上繁殖するため先に生まれた幼鳥も育雛を行うこともある。

7.今回の「ひとあじ違う自然ウオッチング」の感想

曇天ではありましたが観察時間帯だけ雨に会わずにすんで幸いでした。風もなく気温もこの時期にしては暖かいように感じました。今回の講師は日本の野鳥について特に詳しい方でしたので野生の鴨について理解を深めることができました。

講師が持参されたフィールドスコープが威力を発揮しましたね、やはりバードウオッチングにはあれが必要なんだとあらためて気づかされました。ところで、次回は石手ダムのウオッチングですね、さてどのような自然が見られるのか今から楽しみです。

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